日本酒

日本酒の「ひやおろし」とは?味や名前の由来、「秋あがり」との違いを解説!

日本酒のサブタイトル解説シリーズ。今回のテーマは「ひやおろし」と「秋あがり」

ラベルに「ひやおろし」って書いてるけど特別なお酒なの?と疑問に思う方もいると思います。そこで、ひやおろしがどんなお酒なのか、味に特徴があるのか、そもそもなぜひやおろしと呼ばれるのか、似たお酒「秋あがり」についても解説していきます。

ひやおろしは秋のお酒

ひやおろしはずばり秋に発売される季節限定の商品のこと。実際には夏くらいから発売しているメーカーもあり、感覚的には8~10月頃店頭に並んでいるイメージです。

各蔵元が秋をイメージして味を設計し、赤や黄色、茶色など秋らしい色のラベルでリリースします。四季を楽しむのも日本酒愛好家の醍醐味。時期が来たらぜひチェックしてみましょう!

ひやおろしってどんな味?

ひやおろしは冬に造ったお酒を、夏を超えて熟成させて秋に出すお酒。この熟成が肝です。

日本酒は正しく熟成させることにより、味の荒らさや角が取れてまろやかな味わいに変化します。厳しい夏が終わり、穏やかな季節がやってきたことを、ひやおろしのマイルドさが教えてくれるんです。

また、これは蔵元ごとの特徴なので一概には言えませんが、ひやおろしのなかにはドライで飲みやすいお酒が多い印象です。食欲の秋と言うほど、食事が美味しい季節。どんな食事、おつまみともマッチできるように最強の食中酒として仕上げてくる蔵元が多いんでしょうね。

クセの少ないお酒が多いので、これから日本酒に挑戦したいという方はひやおろしから選んでみるというのもひとつの手かもしれません。

ひやおろしがおすすめな人

  • 季節感を楽しみたい人
  • 蔵元の別な一面を見てみたい人
  • クセの少ないお酒からスタートしたい初心者
  • 日本酒を愛する者

日本酒の面白さのひとつは、日本の四季が反映された商品がたくさんという点!冬には新酒、春には新商品、夏には夏酒、そして秋のひやおろし。各季節で特徴的なお酒がリリースされます。日本酒を通じて秋を感じたい!という方はぜひひやおろしをチェック!

また、普段は甘くてジューシーなお酒を中心に展開している酒蔵でも、秋酒はドライで一味違った味わいに仕上げていることも珍しくありません。「こんなお酒も造るのか」と玄人ぶりたいあなたにもひやおろしはおすすめ。いろんな面を楽しむことでストライクゾーンが広がり、より日本酒の魅力にのめりこむチャンスです。食事に合うよう設計されたお酒も多いので、初心者の最初の一本としてもおすすめですよ。

ひやおろしのはじまりは江戸時代との説もあります。そんな大昔から愛されてきたひやおろし。日本酒を愛する者として外すわけにはいきません。日本酒愛好家は絶対にチェックです。いろんな蔵元のひやおろしを飲み比べるというのも面白いですよね。

まとめると、全員におすすめです。日本の秋をひやおろしから感じましょう。

なぜ「ひやおろし」と呼ぶのか

ひやおろしは漢字で書くと「冷卸

「冷却(れいきゃく)」ではありませんよ。「冷卸」です。

「冷」の文字がついているということは、温度が関係しているんです。もっと言うと、日本酒の火入れが関係しています。

生酒と表記のあるお酒以外は、搾ってから出荷するまでの間の工程で火入れを行います。火入れとは、お酒の中の酵素活動を止めて酒質を安定させたり、腐らないように殺菌するための工程のこと。かつての日本酒の多くは、搾った後に1回、出荷直前に1回の2回火入れするのが一般的でした。

ひやおろしは出荷直前に1回だけ火入れをして、そのまま貯蔵し、熟成させます。そして秋を迎え、出荷直前の火入れを行わないまま出荷するのかお決まりでした。

つまり、秋まで熟成したお酒を「冷や」のまま酒屋さんに「卸す」お酒が「冷卸(ひやおろし)」。

これがひやおろしの語源とされています。

また、似た言葉で「秋あがり」というのもあります。秋あがりもまた秋のお酒に書いてあることが多い言葉ですが、現在ではひやおろしとほぼ同じ意味と捉えて構いません。

ひやおろしの貯蔵工程では、長期の熟成を経て味の荒々しさが穏やかに変化し、円熟した新たな旨みが生まれてきます。これこそがひやおろしの狙いですが、こういったお酒の変化のことを昔は「秋あがり」と呼んでいました。

つまり、「ひやおろし」とは夏に貯蔵し秋口に出すお酒のこと。

「秋あがり」はそのお酒が夏の間に起こす変化のこと。

どちらの言葉も、厳しい夏を超えて進化したお酒を指すものです。2つの違いは特に気にせず、おいしい秋のお酒として楽しんでください。

まとめ

いかがでしたか?

「ひやおろし」と「秋あがり」、どちらも日本酒が告げる秋の訪れです。語源や狙いを知った上でまた面白いのが日本酒。こういったウンチクも少しづつ蓄えて楽しんでみてください。ただし、あんまり披露しすぎると嫌われるのでほどほどにしてくださいね!

ぜひ色んなひやおろしを飲み比べてみてください!

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