日本酒

「特定名称酒」とは?日本酒のラベルに書いてあること!

日本酒がずらっと並んでいるのを見ると、「純米酒」だの「本醸造」だのと商品名とは別にサブタイトルがついています。

専門用語のようでよくわかりませんよね?でも、これらの用語がわかるようになると日本酒選びがぐっと楽になるし、ウンチクもついてなんだか気分よく日本酒に親しめるようになります。

そこで本記事では、日本酒のサブタイトル「特定名称」について解説していきます。

純米酒、本醸造酒、吟醸酒...

日本酒には、純米酒とか大吟醸とか、サブタイトルみたいなのがついてるよね?

いかにも。それは「特定名称」と呼ばれ、日本酒の規格を表しているものなんじゃ。

規格?ってことはお酒のランクみたいなもの?

厳密には違うが、規格ごとに価格帯に傾向はあるからそういうイメージでいるとお酒を選ぶ基準にはなるぞ。

今日は特定名称について解説していこう。

日本酒のラベルには、商品名の他に「純米酒」、「大吟醸」などと付随して書かれていることが多いですね。これらは特定名称と呼ばれ、そのお酒の規格を示すものです。

規格を決定する要因は2つ、醸造アルコール(原料用アルコール)を使用しているか、そして精米歩合です。

原料アルコールを使っていないお酒 = 純米

原料として、米と米麹のみを使用している場合、特定名称として「純米」を使用することができます。

一方、発酵中のもろみに対し、圧搾直前に醸造アルコールを添加する場合には純米とは名乗れなくなります。

醸造アルコールについてはこちらで解説しているぞ!

また、精米歩合によっても規格が分けられます。精米歩合の分類は3つ

  • 精米歩合70%以下
  • 精米歩合60%以下
  • 精米歩合50%以下

日本酒を醸造する際、原料であるお米は精米され、お米の外側を削り取ってから製造に使用されます。お米の外側には日本酒を製造する上でよくないとされるタンパク質や脂質といった成分が多く、中心付近には必要とされるデンプンが多く含まれています。精米の目的は、そういった不要な成分をそぎ落とし、有用な成分の多い中心部分を製造に使用することです。

そして精米歩合とは、周りをそぎ落とした結果、玄米がどれくらい小さくなったかを示す数値のこと。100kgの玄米を精米し、60㎏になった白米の精米歩合を60%と表現します。つまり、この数値が小さいほどお米を多く削って醸造した、ぜいたくなお酒といえます。

上記の規格を組み合わせて特定名称は決まっています。

特定名称酒の早見用 引用:国税庁HP

特定名称早見表 引用:国税庁HPhttps://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/seishu/gaiyo/02.htm

表の上2行と下の2行は醸造アルコールを使用したもの。「純米」の表記が消え、精米歩合の数値によって分類されています。

中央の5行は醸造アルコールを使用していないため、「純米」と名がついています。

一般的に、精米歩合が小さいほど玄米の使用量は多くなるため、価格は高くなる傾向にあり、大吟醸や純米大吟醸は高価なお酒になります。しかし、お米を小さく削るほど雑味が減って洗練されていく一方で、お酒の味の乗りやうまみ、味わいの重みが減る場合もあります。飲む人によっては、高いお酒ほどおいしいとは限らず、味の乗った荒々しい味わいを好む場合もあるということですね。

精米したお米を使ったお酒は確かに高くなるけど、おいしいかどうかは飲む人によるってことだね!

また、もろみに醸造アルコールを添加して製造した、いわゆるアルコール添加(アル添)に対してはよくない印象を抱いている人も多く、純米酒しか飲まないという純米愛好家もいます。これは、アルコールを入れるなんてかさましではないかという印象からくるものだと思います。

しかし、アルコール添加することにより、香り立ちがよくなったり、マイナスな風味を上手に隠してくれたり、全体を引き締めてすっきりしたお酒にしてくれるなど恩恵は様々あります。

また、お酒の味わいは飲むときのグラスによっても印象が変わります。日本酒といえばお猪口をイメージするかもしませんが、ぐい飲みやワイングラスなど、使える酒器は様々で、同じお酒を飲んでも違った印象になることは多いものです。

ぜひ先入観にとらわれず、幅広く触れてみることで、日本酒の魅力を再発見してください。

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