日本酒って本当にたくさんの種類がありますよね。酒屋さんに行くと面白い名前の日本酒もたくさんあります。しかも、同じ名前だけどラベルの色が違ったり・・・。おいしい日本酒に出会うのにははじめ結構苦労しますよね。
そこで本記事では、日本酒選びの際に役立つ甘い辛いの定義についてサクッと解説していきます。
甘口?辛口?味わいから選ぶ
「辛口の酒もってこい!!」
居酒屋に行くとこんな人たまに見かけます。店員さんが持っていくと、「もっと辛いやつ!」なんて言ってる人もいます。居酒屋で昔アルバイトをしていた身からすると、「これめちゃくちゃ辛いけどなあ」とよく思ってました。
甘口と辛口
日本酒の味わいをジャンル分けするこの言葉。甘口はなんとなくわかるけど、辛口って何?日本酒って辛くなくない?と混乱している方もいるはず。昔から使われている表現なだけにわかりづらいですよね。
日本酒の甘い、辛いについて解説していきましょう。
日本酒度から見る甘口・辛口
甘口・辛口の基準や目安としてよく用いられる数値が「日本酒度」。ラベルに書いてあるのを見たことのある方もいるでしょう。ラベルの日本酒度を見ることでそのお酒が甘いのか辛いのか、ある程度イメージすることができます。
日本酒度がゼロ付近のお酒は中辛、マイナスは甘口、プラスは辛口といったように、お酒の味わいをざっくり分類する役割を持つのが日本酒度です。ではそもそも日本酒度とはどんな数値なのか?
ずばり日本酒度はお酒の比重、つまり、水と比べて重いのか軽いのかを表す数値です。
比重が大きい(水より重い)・・・日本酒度はマイナス側へ → 甘い!
比重が小さい(水より軽い)・・・日本酒度はプラス側へ → 辛い!
水より重いと甘いの?比重と味に何の関係が・・・
余計わからなくなったよ!
比重を決定している物質がカギなんじゃよ!
比重の決定要因。それは主に、糖分とアルコール。
糖は水より重く、アルコールは水よりも軽い。これが大前提となります。
つまり、水より重い酒=糖分が多い酒=甘い!となり、逆に糖分が少ない酒は比重が水に近くなり甘くなくなる。といった具合ですね。
しかしこれは、そういう傾向にある。という言い方しかできません。
辛口の定義は人それぞれの感覚によるものだし、甘い辛いのボーダーラインも人によってまちまち。定義をもって勉強した人でないとそこに明確なラインを引くのは難しいんです。
そこでひとつ、辛いってなんだかよくわからないという方に言いたいのは、日本酒には辛い成分は含まれていないということ。辛いというのはあくまで表現の一つであって、カレーのように辛さを感じることはありませんよね。
めちゃくちゃざっくり言うと、甘いお酒が甘口、甘くないお酒が辛口なんです。
辛いという表現がどうにも混乱させてしまうのかもしれませんが、私がピンときた表現は、辛い=ドライ。辛口のお酒をお探しなら、あっさり、さっぱり、すっきりべたつかないお酒を選んでみるといいかもしれませんね。
酸度から見る甘口・辛口
日本酒のラベルを見ると、日本酒度のほかに「酸度」の文字がある場合もあります。この酸度もお酒の味わい決定において重要なピースの一つです。
酸度とはその名の通り、お酒の酸っぱさのこと。酸味のあるお酒ってありますよね。
日本酒の酸度を決めるのは、日本酒内に含まれる有機酸と呼ばれる成分です。代表的な有機酸は、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸など。これらの含有量が多いと、辛口に感じたり、重さ(ワインでいうボディ感)が増したりと、味わいに幅を持たせる役割を担います。
一般的に酸度が高いと糖分が隠れやすく、甘みをダイレクトに感じにくくなります。また、酸味は刺激ともとらえられますので、辛口に感じる場合があります。
一般に、酸度の高いものは濃醇、低いものを淡麗と呼び、酸度と日本酒度のバランスによって大きく4つにカテゴライズできます。
最近ではこの、「濃醇辛口」、「濃淳甘口」、「淡麗辛口」、「淡麗甘口」の4つをカテゴリして特集記事にしている雑誌などもあります。
一つの要素だけでは決まらないのが日本酒のおもしろいところ。
ラベルからはいろんな情報を得られますが、やはり飲んでみないとわからないのも日本酒の魅力なんです。ある程度ジャンルを絞ったら、あとはとにかく飲んでみる。そうやってだんだんとお気に入りのお酒を見つけられるといいですね。