今回は映画「トゥルーマン・ショー」をご紹介。
賛否の分かれる問題作扱いだが私はかなり好きな作品。世界でただ一人選ばれたある男の数奇とも異常とも言える人生を描いたヒューマンドラマです。以降、ネタバレ有りでレビューしていきます。まだ本作品を見ていない方は注意してください。
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映画「トゥルーマン・ショー」
あらすじ
物語の主人公は、保険会社に勤めるごく普通の男性。近所の人には「おはよう!会えなかった時のためにこんにちはとこんばんはも!」と声をかけるのが日課。かつては世界中を旅する冒険家を夢見た少年でしたが、海で父親を亡くしたトラウマから、シーヘブン島から外には出たことがありません。
いつも通りの日常を過ごすトゥルーマンでしたが、突然空からスタジオのセットのような大きなライトが落ちてきたことを皮切りに、トゥルーマンの周りで不可解なことが次々と起こります。突然雨が降ってきたと思えば、半径1mほどの雨が自分について来たり、昔海で亡くなったはずの父親によく似たホームレスがおかしな二人組に無理やり連れていかれたり。そんな騒動があっても周囲の人間は気にも留めません。
今は結婚しているトゥルーマンですが、大学時代に出会った「ローレン」という女性が忘れられません。一度は彼女と恋に落ちた彼ですが、彼女は、本当は「シルヴィア」だと名乗り、あなたは全世界に見られている。すべて偽物だと騒いだのち、精神病の療養でフィジーに行くと言って父親と名乗る男性に力ずくで連れていかれます。
そう、トゥルーマンは生まれてから10000日以上、その人生を全世界に生放送されているのです。トゥルーマンの周囲の人間はすべて役者かエキストラ。建物や空、天気さえも完全にコントロール下に置かれた巨大なセットで、トゥルーマンだけが何も知らずに普通の生活を送っているという異常な設定がこの映画の最大の魅力。
次第に自分の生活の不自然さに気づき始めたトゥルーマン。世界が自分を中心に回っているような感覚に陥り、すべてから逃げ出す決意をします。
映画概要
タイトル | トゥルーマン・ショー |
原題 | THE TRUMAN SHOW |
放映時間 | 103分 |
制作国 | アメリカ |
制作年 | 1998年 |
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映画「トゥルーマン・ショー」評価
総合評価 90点
総合 | ★★★★☆ 4/5 |
脚本 | ★★★★★ 5/5 |
ストーリー | ★★★★☆ 4/5 |
キャスト | ★★★★☆ 4/5 |
おすすめ度 | ★★★☆☆ 3/5 |
かなり異質な映画なだけあって、なかなかおすすめするのは難しい作品。ただ、脚本は天才的の一言です。自分の身の回りに5000台のカメラが仕掛けられ、24時間200か国以上に生放送されているという設定は突飛ですが、それを妙にリアルに感じてしまう脚本と演出。主人公を自分に置き換えてしまい嫌悪感を抱く視聴者がいるのも脚本の良さの裏返しと言えます。キャストは飛び切り豪華という訳ではありませんが、トゥルーマンのキャラクターとストーリーのバランスを成立させられるのはジム・キャリーただ一人でしょう。
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映画「トゥルーマン・ショー」感想
冒頭で番組制作者や視聴者のコメントが入り、トゥルーマンがカメラに収められている描写から映画はスタート。これでトゥルーマンを取り巻く異常な環境の説明が早くも終わります。
24時間放映しているトゥルーマン・ショーは途中で通常のテレビ番組のようにCMを挟んだりせず、役者たちが生活の中で不自然に製品をPRするやり方。そんなCMまがいのセリフにもはじめは気づかなかったトゥルーマンですが、次第に疑惑を抱き、それがだんだんと確信に変わってきます。その揺さぶられる心情を思うと他人事ではいられません。番組側の都合で恋人も選べず、親友だと思っていた男も実力派の俳優。すべてが偽物と悟った時のトゥルーマンの絶望や喪失感。しかし、これまでの暮らしで得たさまざまな感情、幸せのすべてが嘘ではないとも感じている複雑な心境。番組のために周囲の人すべてがトゥルーマンの人生を演じる中、心からトゥルーマンを愛し、彼の自由を求め続けた唯一の女性を思い続ける姿を、ジム・キャリーらしくコミカルに、かつ妙にリアルに描かれています。
ラストにはすべてを知り怒り狂ってもおかしくない状況に、なんともトゥルーマンらしい最高の人間性を見せ全世界を脱帽させます。話が突飛で壮大な映画だと、ラストが不完全燃焼ということもありがちですが、トゥルーマン・ショーのラストは100点満点。これまでの100分間をすべて消化してくれる非常に満足のいくものでした。
まとめ
生理的に受け付けないなどマイナスな評価も目立つ本作品。確かに設定はかなり異常ですので、ちょっと気が引ける方にはおすすめできません。サスペンスものや少しサイコパス志向の映画を求めている方にはかなりおすすめできます。
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